
「青汁なんて飲んでも意味がないよ?だって栄養が無いんだもん」
と、友人から言われたことがある人がいるかもしれません。
サプリ業界人の僕の意見では、「栄養が無いは誤解」。
正しくは「製造工程で減少している栄養素がある」です。
今回は、「栄養が無い」と誤解される「製造工程」について解説をします。
一般的な製造工程
収穫→洗浄→乾燥→粗粉砕→殺菌→最終粉砕
工程の中で注目すべきポイントは「乾燥」と「殺菌」です。
両方とも「熱」が加えられます。
ここで高温の熱を加えるとにより「栄養が無くなる」、と誤解されやすいです。
乾燥の温度と時間
乾燥の方法は、加工メーカーにより、使用する機械や温度、時間が異なります。
例えば、ドラム乾燥機で「80~90℃」を「1時間」という工程があるとします。
洗濯物を想像してもらえるとわかりやすいのですが、実際に服自体の温度が「80~90℃」になりますか?
ならないですよね。
専門用語では、「品温」などと表現しますが、乾燥機の中が90℃になったとしても、青汁の原料自体は、「90℃にならない」。
乾燥機内の温度が90℃だとしても、実際の品温はもっと低くて、40~50℃程度だと思います。
でも熱が加えられていることは事実のため、栄養のロスがあることに間違いはありません。
殺菌の温度と時間
殺菌方法もいくつ種類がありますが、よく利用されている蒸気殺菌を例にします。
菌の数を極力減らすために、短時間で高温処理します。
「例:200℃、5秒」
この温度と時間は、機械やメーカーのノウハウにより、数字が変化します。
短時間とはいえ、高温の熱が加わるため、ここでも栄養素の減少の可能性はあります。
「栄養がない」についての誤解
熱を加えると栄養が減少することは事実です。
ただし完全に栄養が無くなるわけではなく、「減少する」という表現が正しい。
栄養素によって減少する率は大きく変わりますが、食物繊維は除去しない限り、ほとんどロスはありません。
実際にどの栄養がどの程度減少するのかを、数値化することは難しいのですが、参考になりそうな資料を探している最中。
※エキス末の商品は、除去するため状況が異なる。
乾燥粉末のデメリットとメリット
熱を加えると栄養素が減少するという、デメリットはすでにお伝えしましたが、他にもデメリットがあります。
3つのデメリット
- 栄養素の種類により、減少するものがある
- 噛んで飲むことができない
- 風味と味が劣化する
3つのメリット
- 賞味期限が長くなる(1~2年)
- 持ち運びが可能になる
- 量を多く摂りやすくなる
1. 賞味期限が長くなる
生野菜の1番のデメリットは「賞味期限が短い」ことです。
種類や季節にもよりますが、葉っぱ系なら冷蔵庫に入れても一週間程度。
日にちが長くなればなるほど、水分でベタベタになったり、クタっとしてきちゃいますよね。
しかし乾燥させることによって、このデメリットを解消し、賞味期限1~2年と長くすることができます。
2. 持ち運びが可能になる
野菜はだいたい90%が水分で、10%が固形分。
ずっしり重たい白菜も実は、90%が水分だから重たい。
水分を飛ばすと、約10分の1まで重みを減らせます。
そうなると持ち運びが容易なんです。
この画像は野菜の種類こそ違いますが、お互いを「水分を含んだ生の状態」か「乾燥粉末」にすると、ほぼ同じ重さになります。
僕は出張の時に、青汁の個包装をいくつかカバンに入れて出かけます。
でもカバンに生サラダを入れて、出張に行く人はなかなかいませんよね。
特に暑い夏は、腐ってしまうリスクもあるので…
これは消費者だけでなく、加工をする工場などでも「鮮度の維持」を気にしなくていいため、重宝されています。
3. 量を多く摂りやすくなる
サラダと粉末の皿は、どちらの方がより頑張らなくても食べる(飲む)ことができると思いますか?
ほとんどの人が右の粉末の皿を選ぶと思います。
水分を減らすことにより、重さだけでなく「嵩(かさ)も減らす」ことができるんです。
僕はレタスのサラダが好きなのですが、1食で画像のサラダ(約100g)を食べるのはけっこうしんどいです。
顎は疲れるし、寒い冬だと余計に食べることがつらく感じます。
しかし粉末の方であれば、コップ1杯の水に溶かせば、さっと飲むことが可能。
まとめ:「青汁は栄養素によって減少しているものがある」が正解
少し極端な例ですが、白菜を食べる時に、「熱を加えると栄養素が減るから生で食べる」なんて人はいないと思います。
白菜なら「茹でる」が中心になると思いますが、熱を加えることに抵抗はありませんよね。
青汁も同じ考え方で、「飲みやすさ」「賞味期限が長い」などメリットに目を向けるべきです。
栄養素の量がどうしても気になるのであれば、「量が多い青汁」を選べば問題は一気に解決します。
青汁をせっかく飲むなら栄養素が1番高いものを飲みたいですよね。 そこでどの青汁に、栄養素が1番多く含まれているのかを調査してみました。