
青汁は安い商品で1箱1,000円、高い商品だと5,000円以上の商品もあります。
同じ青汁でもこれだけの価格差があると、「ぼったくり価格じゃないの?」と心配になってしまいますよね。
そこでサプリ商品開発の元プロが、「高い青汁と安い青汁の違い」を解説します。
価格差を商品比較で解説「違いは2つ」
高い安いをわかりやすく比較できるように、人気の青汁2商品で比較。
- 安くてコスパがいい山本漢方の「大麦若葉100%」
- 多機能で付加価値が高いサントリーの「極の青汁」
基本的な商品スペック
商品名 | 大麦若葉100%スティック | 極の青汁 |
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商品画像 | ![]() |
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会社名 | 山本漢方 | サントリー |
原材料 | 大麦若葉のみ | 大麦若葉末(国内製造)、マルチトール、フラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン(食物繊維)、明日葉末、抹茶、煎茶/酵素処理ルチン |
1包の内容量 | 3g | 3.3g |
入数 | 88包 | 90包 |
価格 | 約2,500円 | 約8,900円 |
基本的な商品スペックで、サントリーの青汁の方が多い項目は
- 原材料の種類数
- 1包の内容量
- 入数
- 価格
の4つです。
この中で価格の違いを生む項目は、
- 原材料の種類数
- 1箱の総重量(1包の内容量×入数)
の2つ。
① 原料の「産地」と「種類数」の影響が大きい
商品名 | 大麦若葉100% | 極の青汁 |
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商品画像 | ![]() |
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青汁原料の産地 | 中国(大麦若葉) | 熊本県阿蘇など(大麦若葉) 屋久島など(明日葉) |
期待したい原料 | 大麦若葉のみ | 大麦若葉、フラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、明日葉、酵素処理ルチン |
味の調整 | なし | 抹茶、煎茶 |
産地は「国産原料の方が高い」
サプリの原料は1kgあたりいくらで取引されていますが、「国産の青汁原料は中国産の青汁原料よりも約2~3倍高い」です。
また産地を指定(例:熊本県阿蘇産のみ)すると、国産(日本全国どこの産地でもOK)よりも少し割高になる傾向があります。
これは天候の問題などにより、不作だった時に対応するための「リスク管理」と「商品の原価を一定のコストに抑える」などの目的があります。
原料の「種類数」が多いと価格が高くなる傾向あり
大麦若葉の原料は1kg:数千円ですが、例えば「ヒアルロン酸は1kg:100,000円」など、原料により単価が大きく異なります。
サントリーの極の青汁の場合ですと、「酵素処理ルチン」が高価で、おそらく1kg:数万円します。
原料の種類数が多い=高い青汁と断言できませんが、原料の種類数が多い青汁≒高い青汁、になる傾向があります。
原料の種類数が多い青汁は、付加価値を高める狙いがある青汁が多いため、その分高価な原料を配合します。
そのため、商品価格が高い青汁が多くなります。
味の調整は少し影響あり
大麦若葉は、比較的飲みやすい青汁原料です。
サントリーは味にも付加価値をつけており、抹茶と煎茶を配合し、より飲みやすく仕上げています。
そのため原価ベースで考えると、ほんの僅かだけコストが高くなります。
② 1箱の総重量が多いほど価格は高くなる
商品名 | 大麦若葉100% | 極の青汁 |
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商品画像 | ![]() |
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会社名 | 山本漢方 | サントリー |
内容量 | 3g | 3.3g |
入数 | 88包 | 90包 |
総重量 | 264g | 297g |
山本漢方の青汁とサントリーの青汁は方向性が真逆なため、総重量の比較は少しわかりづらいです。
仮に同じスペックの商品だった時に、総重量が多い方が価格は高くなります。
例えばコーラ350ml缶と500mlペットボトルなら、量が多い500mlペットボトルの方が価格が高くなると、同じことです。
高い青汁=栄養価が高い訳ではない
「高い青汁=栄養価が高い」と思っているかもしれませんが、栄養素の種類によっては含有量が少ない成分もあります。
青汁で1番期待できる栄養素は「食物繊維」と「ビタミンK」。
しかし、「食物繊維」と「ビタミンK」は価格が安い山本漢方の方が多い。
商品名 | 大麦若葉100% | 極の青汁 |
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商品画像 | ![]() |
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食物繊維 | 0.9~1.5g | 0.96g |
ビタミンC | 1.2~10.3mg | 4.09~14.3mg |
ビタミンK | 67μg~151μg | 5.15~70.6μg |
ケルセチン配糖体 | 未配合 | 18mg |
フラクトオリゴ糖 | 未配合 | 334mg |
山本漢方の青汁の方が多い栄養素
- 食物繊維
- ビタミンK
サントリーの青汁の方が多い栄養素
- ビタミンC
- ケルセチン配糖体
- フラクトオリゴ糖
サントリーの青汁は、長所を強めた商品設計
サントリーの方が「食物繊維」と「ビタミンK」が少ない理由は、「大麦若葉の配合量が山本漢方の方が多い」からです。
商品 | 山本漢方 | サントリー |
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大麦若葉の配合量 | 3g | ※1g前後 |
※サントリーの大麦若葉配合量は予測値
サントリーの青汁は「食物繊維」と「ビタミンK」よりも、「ケルセチン配糖体」を重視した商品設計になっています。
そのため青汁と表現するよりも、「ケルセチン配糖体配合の青汁風サプリ」と表現しても間違いではなく、「付加価値がある多機能青汁」になります。
サントリーの青汁のように、価格が高い青汁は「特徴的な栄養成分を強化」「青汁の配合量はそこそこ」で、青汁風サプリという傾向が高い商品が多いです。
まとめ:「個人的なおすすめは価格が安いシンプルな青汁」
- 価格が高い青汁は複数の原料が配合されており、色々な栄養成分が含まれている(付加価値のある多機能青汁)
- 安い青汁は原料100%でシンプル(単機能)
青汁を初めて買う人におすすめは「価格が安いシンプルな青汁」です。
その理由は、「青汁=野菜不足を補う」目的で飲む人が多いため、価格が安いシンプルな青汁の方が目的にぴったり。
高い青汁は付加価値があるのは事実ですが、「自分に合った栄養素を吟味し商品を選ぶ必要がある」ため、初めて青汁を飲む人にはハードルが高い商品です。
本来はここに「宣伝広告費」や「粗利益の割合」などを含みますが、今回は商品設計の「原材料」を中心に比較解説しました。